DIYの道具と材料
大工道具=1)差し金(測る)・2)のこぎり(切る)・3)カンナ(削る)・4)キリ(穴あけ)・5)ノミ(彫る)・6)玄能(たたく=かなづち)・7)釘抜き(抜く)などが基本的な道具の代表です。この基本的な道具からいろいろなバリエーションと形・種類がでてきます。
・測る、線を引く道具
1)差し金=曲尺ともいいます。L字形をしたものさしでステンレス製です。L字形の長いほうを「長手」といい50cm・短いほうを「妻手」といい25cmの各々の長さで幅は1.5cmの規格が一般的です。イ)垂線を引く・・・木材に線を引く(墨つけ)のに使われます。特に長手と妻手が90度直角になっているので簡単に垂線がひけます。ロ)角度が求められる・・・木端(コバ=板の端)から長手・妻手同じ寸法(1:1)に合せると45度の線がひけます。また、長手・妻手の割合を4:3にすると30度・40度の線もひけます。長手と妻手の先を線で結ぶと直角三角形の形になります。ハ)等分する・・・13cm幅の材料を3等分するとします。計算するのは面倒ですね。差し金を使うと割り切れない数のものでも等分できます。差し金の妻手側の長手の端を木端に当てて13cmより多いcmで3で簡単に割り切れるcmを求めます。15cmです。最初の木端から斜めに長手の目盛15cmのところに反対の木端がくるように差し金を置きます。後は5cm単位に印を長手の目盛どうりに斜めにつければ簡単に等分できます。


(2)物差しいろいろ
直尺=一般的物差しです。15cm〜100cm位のものが使用頻度があります。用途は長さを測るだけでなく線を書いたり布・紙などを切ったりするのにも使われます。ステンレス・プラスチック・木・竹製があります。カッターなどで切断に使う場合はステンレス製が使われます。
三角定規=直角三角形・二等辺直角三角形の二種類の三角定規の組み合わせで垂直・平行・角度線を引ける。主に製図用。
折尺=持ち運びが便利。1m位のものを6・8に折りたたみにした物差し携帯用。木製・プラスチック製
巻尺=コンベックス・メジャーと呼ばれます。バネの力を利用して容器に巻き込まれて収納されている物差し。1m〜100mまで測れるものがあります。携帯や曲線的部分も測ることが出来便利です。
まきがね(スコヤ)=正確な直角を測る測定器です。物差しとは多少異なります。まきがねは日本の古くからの伝統的道具でスコヤは外国でつかわれているものが日本に入ってきました。
留め定規=留めは45度のことで45度に傾斜した定規をいいます。額縁・箱などの角を斜めに合わせてある部分が45度です。その部分の線をひいたり
測定したりに使用されます。
ノギス=球形、円柱,筒などの外径寸法や内径寸法、直径を測ります。
レベルゲージ=測定する面に当てて傾斜角度を測ります。
内パス、外パス、片パス=測定物に当てて大きさを固定して(パスの軸が締りぎみになっている。)物差しに当てて測定する。
(3)ケビキ(罫引)


樫などの堅い木で作られた定規。かまぼこ形定規板に刃を付けた竿を通したもので同じ幅を木端に沿って引くことが出来る。竿一本・二本付きがある。
直線を引いたり、薄い3mm程度の物であれば一回目軽く引き二回目力を入れて引くと三回ぐらいで引き割ることも出来ます。また、定規板から竿を抜いて竿の刃の付いた反対に穴をあけて釘をさしてコンパスに使用することもできます。
4)スミツボ(墨壷)


木材に線を引く道具です。長い直線を引くのに便利な道具で建物の垂直・水平を印すのに使われます。大工の名人は曲尺と墨壷を使いこなす名人で「壷曲師(つぼがねし)」と言われ「棟梁」が墨壷を持っていました。墨壷は糸巻車と墨壷が一体となった道具で糸巻車の糸が墨壷の中を通ることによって糸に墨が含まれます。墨壷のお尻に糸口があり糸が出ています。その糸の先に軽子(小錐=木片に針の付いた3cm位の錐形)が結んであります。
その軽子を木端に刺して墨壷を引くと墨を含んだ糸が引き出されます。反対側の印しの所に引き出した糸を当てて糸の中央部分を上に摘んで弾きます。墨が木材に付いて線が引けます。最近は墨の代わりにチョークを使った物もあります。チョークは消すことが出来たり、にじんだりしませんので壁紙貼りや床張りのとき線を引くのにも使われています。
・切る道具


(1)のこぎり=切る代表です。種類は切る材料によって違います。木材関係・・・両刃ノコ・胴付ノコ・廻しびきノコ・畔びきノコ・糸ノコ・折込ノコがあります。イ)両刃ノコ・・・ノコの上下に縦引き刃と横引き刃が付いています。縦引きは木材の木目に沿って切る時に使う目の粗い刃です。横引きは木材の木目を横に切る時に使う目の細かい刃です。刃は左右に少し広がって蛇行して付いています。この刃の広がった幅を「アサリ」といいます。木を切ると
切屑が出ます。このアサリがあるから切りカスが切り口から掻きだされます。アサリ幅はノコ身に使われている金属の厚さにもよりますが一般的な鋼を使っている物はノコ身が約0.5mmですとアサリ幅は約1mm位になります。刃渡り(刃の付いている部分)は210〜270mmまでありますが240mm位の物が
一般的に使いやすいサイズです。ロ)胴付ノコ・・・ノコ身が薄く刃も細かくアサリも少ないので切り口がきれいに仕上がります。ノコ身が薄いので背の部分に背金(胴)で補強されていてたわみを防いでいます。ハ)廻しびきノコ・・・曲線を切る為のノコ。ノコ身が槍の様に細く厚みがあり、アサリのない細工関係に便利なノコ。ニ)畔びきノコ・・・くり抜きや溝つけなどに使われます。両刃でノコ身は短く厚く、刃渡りも短い、両刃がかまぼこ形で先のほうの曲線が大きくなっているノコ。ホ)糸ノコ・・・弓状の胴に細いノコ刃を付けて弓のひっはりで刃を支持して複雑な曲線切りに使用される。木材用・金属用があります。電動糸ノコにはガラスなども切ることができます。刃を換えることによっていろいろな物を切ることが出来ます。ヘ)折込ノコ・・・二つ折りになり柄にノコ身が収納されるので安全に携帯することができます。片刃が一般的ですが両刃もあります。刃は茨目・縦引き・横引きとあり植木の剪定や枝きり
に使用されます。木材以外のノコ・・・金切りノコ・・・タングステン鋼を使ったノミ状の刃で身の両端に穴があいていてその穴で弓ノコに取り付けて、押し切りで使います。新建材ノコ・・・刃は鋭利な波状で通常は片刃の物です。万能ノコ・・・替え刃式で切断材料に合せた刃を交換して使います。
ノコギリを上手に使うには
1.材料を固定する。クランプ・万力などを使うと楽です。また、足で材を固定するには引き台(馬台)を使うと切りやすくなります。2.ガイドをつける。引き始めは親指を印の処に当ててゆっくりと引き始める。引き終わりは切り落とされる材に手を添えてゆっくりと引き終わる。3.引き始めから引き終わりまで目線はノコギリを真上から見るようにして、力は引く時に強く押すときは軽くします。切る線の半分位を切る感じで切りましょう。4.使用後は油を塗ってラップなどで包んで新聞紙等で保護して保管しましょう。
・削る・磨く道具
1)カンナ(鉋)=削る道具。長方形で木製の台に一枚または二枚の刃が一定の角度に仕込まれた道具。
カンナの種類
平面を削る・・・平カンナ・長台カンナ・台直しカンナ。
平面・角など一部を削る・・・際(きわ)カンナ・溝カンナ・脇カンナ・面取りカンナ。
曲面を削る・・・丸カンナ・反(そり)カンナ。
カンナの台は十分に乾燥された樫・楓・楢材が使われます。最近ではプラスチック製で替え刃式の者もあります。
カンナの構造と各部の名称


木製の長方形の台で刃を一定の角度に保つ為の逆台形の穴があいています。その穴にはカンナ刃が通る押溝・刃の表が接する表馴染み・裏金を支持する裏金留(金属の棒)が細工されています。台の上を上端(うわば)・上端の頭を台頭・頭と反対を台尻と呼びます。下を下端(したば)・下端は定盤で中央がやや凹んでいる仕組みで材を平らに削る為の定規の役目をします。下端には刃口(カンナの刃が出る所)・刃口の所にカンナ屑がスムースに出る様にコッパ返しが細工されています。カンナ刃を抜く時は刃が飛び出さないように軽く押さえて台頭の両端を交互にたたきます。カンナ刃を差し込むにはカンナ刃を先に押し溝に沿って打ちこみ、次に裏金を打ちこみます。カンナ刃と裏金の関係は裏金はカンナ刃の刃先を超えないこと、そのズレは0.5mm(できれば髪の毛一本分位)以下にします。
カンナ身と裏金
カンナ身・・・刃の付いたカンナ刃自身で表と裏があります。表はツルンと滑らかでカンナ台の表馴染に接する面です。裏は一般に刻印が打たれています。裏金と接する面です。刃先の両サイドを耳といい、削る刃を切刃といいます。裏金はカンナ身を押さえる役目をします。裏金上部は両サイドが少し内側に折れ曲がっています。これを耳といいます。カンナ身を押さえる役目をします。
一般的には平カンナで刃幅が50mm〜60mm程度の者が使いやすいでしょう。また、最近では仕上られた面の材料が販売されていますので面取りなどの補助的道具となっています。
知識としてのカンナの種類
平カンナ
一枚カンナ・・・板や角材の表面を平滑に削る。軟材の木口・檜柱や天井材の仕上削りに使用。
二枚カンナ・・・板や角材の表面を平滑に削る。荒削りから仕上削りまで出きる。合鉋とも呼ばれる。
長台カンナ・・・台が長いカンナで正確な平面削りに使われる。
台直しカンナ・・・カンナ台の下端の調整に主に使われる。また、紫檀、黒檀、銘木などの硬木の削りにも使用される。
際カンナ・・・入隅の際・刻み柱の仕上・木口・木端・ホゾの際の削りに使用される。
溝カンナ
大工しゃくりカンナ・・・鴨居・敷居の溝彫り。
大阪しゃくりカンナ・・・大工しゃくりカンナに同じ。
櫛形しゃくりカンナ・・・家具・建具の小細工用で溝削り、組み手の仕上げ削り。
蟻しゃくりカンナ・・・蟻形部分の仕上ようで凸凹それぞれ用がある。
相しゃくりカンナ・・・相欠部分の仕上用で床板や腰羽目の相欠削り。
基市しゃくりカンナ・・・定規板が付いた溝削りで造作用。
脇カンナ
脇取りカンナ・・・溝の側面(脇)を削る。
ひふくらカンナ・・・脇取りカンナに同じ。
面取りカンナ・・・角材・板材の角の面(角を少し削って平らにする。)を取る。
丸カンナ・・・凸凹の湾曲面の削り。
反り台カンナ・・・大きな湾曲面の削り。
南京カンナ・・・家具の彫刻部分・椅子の曲線部分など複雑な曲面の仕上削り。
西洋カンナ(ブレイン)・・・押して削る。平カンナに同じ。
機械しゃくりカンナ・ロータリーカンナ(平カンナに同じ)などもある。
ヤスリ・サンドペーパー・その他
ヤスリ・・・木工用と金属用があります。カンナの代用としての「ヤスリカンナ」があります。目が粗く表面を研磨したり形を整えたりします。手軽で誰にでも簡単に使用できるので便利です。
サンドペーパー・・・サンドペーパーは木材の表面を滑らかにするものです。番号によって目の粗さが決められています。普通では150番・180番・240番のものがあれば十分です。番号が大きいほど細かくなります。
その他として硬い木などを削るのにガラスの破片で削ると良いです。ただし、手を切ったり危険ですので軍手や布・皮などを使用して安全に行ってください。
・穴あけ・彫る道具


(1)キリ・・・釘を打ったりするときの下穴をあけるのに使います。刃先の形で三ツ目キリ・四ツ目キリがあります。四ツ目キリは小さな穴・三ツ目キリは少し大きめの穴をあけます。筒形の穴を少し深くあけるのにはつぼキリとねずみ歯キリがあります。つぼキリは半円柱で刃先は彫刻刀の様に削る刃になっています。みずみ歯キリはみずみの前歯のような歯が三本扇状についた切削刃になっています。
(2)ノミ・・・玄能で叩いて穴やホゾを彫ったりする道具です。ノミは切刃の先から最初のくびれまでを穂先・くびれから柄の下までを首と呼びます。穂先と首を合わせて穂と呼びます。柄は柄と呼び柄の上部についている金の輪をカツラといいます。このカツラの部分を垂直に玄能で叩いて木目を見て実際の寸法より少し小さめに穴を彫ります。最後に手押しで墨付けどうりに仕上ます。
知識としてのノミの種類
叩きノミ




追入れノミ・・・一般的なノミです。浅いホゾ穴彫り、ホゾ穴の仕上、相欠、胴付の加工。
向待ノミ・・・深い穴彫り、溝加工。
厚ノミ・・・柱、鴨居、土台などの仕上加工。
丸ノミ・・・曲面の穴、曲面部の加工。
仕上ノミ
薄ノミ・・・戸、障子など細くて深い溝を加工。
しのぎノミ・・・蟻ホゾ、蟻組など薄ノミで加工しにくい個所の削り仕上。
突ノミ・・・ホゾ穴、接手などの加工。
コテノミ・・・小さい穴、溝や溝の底の仕上。
彫刻用
彫刻ノミ・・・大きな彫刻物に使われる。
彫刻刀・・・木彫の各部分の彫り。
小刀
切出し小刀・・・丸彫り、浮彫り、相彫り、線彫りなど各種木工の小細工用。
くり小刀・・・曲面部分のえぐり、竹釘、木釘など各種木工の小細工用。
チズル=チゼル(西洋ノミ=Chisel)・・・木工の穴あけ作業。和ノミ同様の使い勝手。
その他斧(オノ)・・・頑丈で大きな両刃が衝いた大型の刃物。伐採用、製材用、打ち削り用、片手斧がある。鉈(ナタ)・・・片刃、両刃があり、桶造り、竹細工用など片手で使います。アックス・・・西洋型の斧で通常は両刃です。


打ち込む道具


カナヅチ(槌・ハンマー)=釘を打つことが第一目的ですがその他にいろいろと使われる道具です。一般的に木工用のカナヅチ(玄能)は叩く面の片方が平らでもう片方が丸みのある面をしています。平たい面は釘を叩く時に使います。丸みのある面は釘を打ちこんで最後の一打ち二打ちでしっかりと釘を打ち終わるときに使います。丸みがあるので材を傷つけることなくキチンと打てるからです。また、丸みの面は「木殺し」と言って木を叩いて(棒など穴に差し込む場合棒の先を叩いて少し細くする)穴やホゾに差し込み易くする時に使います。釘抜き兼用の物は箱屋カナヅチ・・・柄が木で出来ていて荷箱などをつくるときの物、ネールハンマー・・・柄が金属パイプで出来ている西洋カナヅチです。カナヅチ(玄能)も大中小ありますが300g〜350g位の中が良いでしょう。
カナヅチの使い方
平らな面と丸みの面があります。釘を最初打つと時平らな面から打って最後に丸みの面でと言いましたが慣れてきましたら最初から丸みの面で打っていくと効率的です。(丸頭の釘を打つ時は平らな面を使用する。)平らな面は金物やコンクリートを叩いたり割ったりするのにもつかいます。カナヅチは柄を軽く握ってカナヅチの重さを利用して肘と手首のスナップを利かせて打ち下ろします。釘の大きさによって柄の持つ位置を調整します。小さな釘は
柄の中間位を握って打つと疲れません。大きな釘は大きなカナヅチ使用します。相手に合わせて道具も変えます。
カナヅチの相手「釘」
釘はまっすぐ打つと抜けやすいので少し斜めに打ちましょう。狭い隅の方や隠し釘の釘打ちには釘締めを使うと便利です。釘の頭を平らにつぶして木目に沿って打ちこめば釘が目立ちません。
打ったら抜く「釘抜き」
釘抜き(カジヤ=バール)を使います。カジヤは昔からある日本の道具でL字型で両端にチョキ形の刃物状の割り込みが細工されていてその割り込みに釘の頭を入れてテコの応用で釘を引き抜きます。大きさは150mm〜330mmまであります。バールは外国から入ってきた道具で棒状で片方に釘抜き用の割り込みがあり、もう片方には平たくヘラ状に処理されている道具です。大きさは150mm〜1000mmと種種あります。釘を抜く時材を傷つけない為には当て木を使うと良いです。サビついた釘は少し打ちこむと釘が動いて抜きやすくなります。
カナヅチ色々
玄能
大玄能・・・大きな材料のノミ叩き、カスガイ打ち、大工用。650〜750g
中玄能・・・一般的、釘打ち、ノミ叩き、カンナ刃の出し入れ、木殺し、大工・家具・建具用。300〜500g
小玄能・・・釘打ち、ノミ叩き、カンナ刃の出し入れ、木殺し、大工・家具・建具・小細工用。250g
四分一・・・用途は小玄能に同じ。頭部が小玄能の四分の一の重さ。
豆玄能・・・小釘、鋲、天井張り用
プラスチックハンマー・・・扱いが簡単で材に傷をつけにくい。用途は中玄能に同じ。110〜900g
金槌
先切金槌・・・片方が打撃面、片方は尖っていて穴あけが出きる。釘、鋲、カスガイ打ち、小穴あけ用。
箱屋金槌・・・片方が打撃面、片方が釘抜き。釘打ち、荷箱製造、荷を開ける。
唐紙金槌・・・片方が打撃面、片方が尖っていて先は丸みをもっている。小釘、鋲、彫金、皮細工用。
屋根屋金槌・・・トントン葺きと呼ばれ四角四面が打撃面で屋根の杉皮葺きの職人が使用した。釘、竹釘,木釘打ちに使用。
刃槌・・・ノコギリのアサリ用。
木槌・・・ノミ叩き、カンナ刃の出し入れ、竹釘,木釘、彫刻用、家具建具の組立、など材料に傷をつけない。
西洋型金槌
ネイルハンマー・・・片方が打撃面、片方が釘抜き。柄は木製,金属製がある。用途は中玄能に同じ。
ボールピンハンマー・・・片方が打撃面、片方が球形面。鍛金、彫金、リベット打ち用。
ブリックハンマー・・・片方が角型の打撃面、片方が平たい刃状になっている。石、レンガ、ブロック、タイルの打ち割り、整形用。
マレット・・・木槌。木製・プラスチック製があります。
締める道具


ネジを締めるドライバー、針金を締めつけたり切ったりするペンチ、ボルト・ナットを締めるスパナ類があります。
ドライバー・・・木ネジ、ビスには頭の所が+・-の形に溝が切ってあります。その形に合せてトライバーの先端も+・-両方の形の物が有ります。溝に合ったものを使いましょう。ドライバーの軸が柄の中ほどで止まっている物を普通型。軸が柄を貫通している物を貫通型といい強い力に耐えられます。
先端がプラスの物をプラスドライバー、マイナスの物をマイナスドライバーといいます。その他にはナットを締めるナットドライバー、柄を押しつけると軸が回転するオートマチックドライバー、検電用の検電ドライバー、切替え装置で固定から右,左に回転方向が変えられるラチェットドライバー、柄も軸も
極めて短いスタビイドライバー、柄がひょうたん型の電工用ドライバーなどがあります。
ペンチ・プライヤー
ペンチ・・・針金、銅線などを曲げたり、締めたり、切ったり出来る用途の広い便利な道具です。狭い部分や細かい作業はラジオペンチ(先端が細い)を使うと便利です。
プライヤー・・・軸の部分を操作することで掴む幅を調整することが出来る道具です。
コンビネーションプライヤー・・・掴む幅を一段階広げることができます。通常の物を掴む、一段広げて少し大きな物を掴む、針金を切るの三種類の作業ができます。
ウォーターポンププライヤー・・・水周りのパイプなどの脱着作業に使われます。五段階くらいに掴み幅を変えられますので便利です。
レンチ・スパナ
レンチ・・・頭部のネジ(ウォーム)を回して口の開きを調整できる道具でボルト・ナットを締めたり、緩めたりします。代表的なのがモンキーレンチです。
その他として自動車修理などで使われるソケットレンチ、モーターレンチやガス・水道のパイプ工事で使われるパイプレンチがあります。
スパナ・・・スパナは口の部分は大きさが固定していてそれぞれの大きさのスパナがボルト・ナットのサイズに合わせて何種類もあります。通常は六本セット位で十分です。両口スパナ(両端に違うサイズの口がついている。)片口スパナ(片方に口がついている。)があります。
材料
木材=木材の種類は針葉樹と広葉樹の二つに分けられます。針葉樹は葉が針の様に細い物、少し平たく扁平で細長い物があり成長が早く軟らかいので角材、板材など構造材に使われます。広葉樹は葉が広い物で成長は遅く、材質は堅い材で主に家具材として使われます。
木材の種類と特徴、用途
針葉樹
スギ(杉)・・・独特の芳香があり軟らかく、割れやすい。建築材(構造、造作、下地材)に使われる。
ヒノキ(檜)・・・独特の芳香があり、繊維が緻密で弾力性がある。腐り難く耐久性がある。高級建材、造作、浴槽材に使われる。
マツ(松)・・・ヤニが出るが強度があり扱いにくい。アカマツは生木で水中に使われ強さを発揮する(土木関係で使われる。)構造材(黒松)造作材(赤松)に使われる。
ツガ(栂)・・・繊維が緻密で光沢があり耐久性もある。米国、カナダ産が多い。多用途で構造材、造作材に使われる。
ヒバ(檜葉)・・・独特の芳香がある。緻密で水湿性、耐久性が大きいが割れやすい。建築、建具、土木、船舶材に使われる。
モミ(樅)・・・軟らかくて加工しやすい反面狂いやすい。下地材に使われる。
サワラ・・・ヒノキ科でヒノキに似ている材。耐水性に優れているが軟らかいので建築用には不向きで主に浴槽材に使用される。
広葉樹
カシ(樫)・・・非常に堅く、赤ガシ、白ガシがある。カンナの台やノミなど道具の柄に使われる。
カエデ(楓)・・・緻密で堅く、光沢のあり木目が美しい。高級家具、装飾材に使われる。
ケヤキ(欅)・・・堅く,光沢、耐水性がある。大木になるので大きな板が取れる。家具材、構造材、造作材に使われる。
サクラ(桜)・・・木目が緻密で光沢がある狂いの少ない材。家具装飾材、造作材、敷居材、民芸品、版木に使われる。
クリ(栗)・・・堅い材質で耐水性がある。アクが強い。線路の枕木が代表的です。
ナラ(楢)・・・北海道産が多く虎斑(トラフ)という美しい模様を持つ材。家具、フローリング材、洋酒樽、合板の表面に使われる。
タモ・・・北海道産が多く境目と年輪が明瞭で木肌目が粗く加工性が良い。家具、器具材、造作材、運動具(バット)、合板に使われる。
シナ・・・木肌が緻密で仕上がりが美しい狂いの少ない材。合板の表面に貼ってシナ合板として使用されるのが多い。
キリ(桐)・・・広葉樹としては軟らかくて軽く湿気に強い材。タンスなどの高級家具材に使われる。
輸入広葉樹
ラワン・・・木目は無く繊維導管が表面に見えます。全体に平均した材質です。キクイムシの害を受けやすい。赤ラワン、白ラワン(やわらかい)がある。
建築材、家具材に使われるが合板用が最も多い。
アピトン=黒褐色で伸縮性のある油分の多い堅い材。高級家具、床などの造作材に使われる。
ウォールナット・・・光沢があり反りや曲がりの少ない耐久性のある材。家具材に使われる。
チーク・・・堅く狂いが少なく湿気や害虫に強い材。家具装飾材、造作材に使われる。
マホガニー・・・堅く反りが少なく耐久性のある材。家具装飾材、造作材に使われる。
ラミン・・・黄白色の南洋材で木目浅く、木肌は粗く、工作しやすいが耐久性は劣る材。造作材、内装材、家具材、床材に使われる。
木材の知識
木材は成長するにしたがって年輪(年輪の無い樹種もある)が一年毎に形成されます。成長した木は伐採され製材されます。木は樹皮とその内側周辺、中心部分に分けられます。樹皮の内側周辺部を辺材といい「白太」といって白色で心材に比べ軽く、節が出たり狂いやすく腐食しやすい部分です。、中心部を心材といい「赤身」といって堅く樹脂を多く含んでいて緻密で耐久性があり虫害を受けにくく狂いの少ない強い部分です。製材した時の製材方法によって年輪が木材の表面に現れた模様を木目といいます。
木目(もくめ)


柾目(まさめ)・・・板の表面に木目が平行に直線的にきれいに現れている。
追柾(おいまさ)・・・木目が柾目の様に現れているが木口の部分の年輪が柾目がほぼ垂直になっているのに比べ斜めに現れている。
板目(いため)・・・木目が山形や波型に現れている。
杢目(もくめ)・・・根に近い部分を製材した時に不規則な模様が現れた面白味のある木目。
板の裏表
板にも裏と表があります。板目の板で木表・木裏といいます。木口(長方形の板の切り口の部分で年輪の輪が見える部分)を見て年輪の輪が大きく樹皮に近い面を木表といいます。その逆で芯に近い年輪の輪が小さい方の面を木裏といいます。乾燥すると木表が収縮して木が反ったりします。
丸太の背と腹
丸太の切り口を見ると年輪が片方に片よって成長している物があります。北側と南側、地形、日照の違いです。北側は成長が遅く、南側は成長が早いので年輪幅に差がでます。芯の部分が偏っている部分を背(上端)いい、年輪が開いている方の部分を腹(下端)といいます。年輪は背が緻密で腹は粗くなります。丸太を立てた状態で根元方の部分を「元」、上の方の細くなっていく部分を「末」といいます。途中で切っても上下は元末変わりません。
丸太から製材された角材で年輪の中心の芯がある角材を「心持ち材」、そうでない角材を「心去り材」といいます。
木材の性質
木材は繊維の方向に引っ張ったり圧縮したりの力には強い抵抗力を発揮してなかなか割れず折れません。柾目の板の下に木目に直角に交差するように棒を間隔を開けて二本並べます。その上に板を乗せて力を加えてもしっかりと受け止めますが木目に沿って平行に並べた棒の上に乗せた板は力を加えると割れてしまいます。使用する材の繊維方向をよく見て使用することが大切です。木材は乾燥すればするほど強度が増します。この乾燥度合いを含水率といいます。含水率25%位が木材出荷・輸入時点の乾燥具合です。販売されている時点では約15%位の乾燥具合です。
加工木材



集成材・・・厚さ5cm以下の人口乾燥させたひき板、小角材を合成樹脂で圧着して張り合わせた材で、一本物、一枚の板状物仕上られた柱材、敷居材、フィンガーショット(手の指を互いに差しこんだ形に似ている接続)つなぎの集成板材がある。狂いや割れが生じにくく安定した加工しやすい材です。
合板(ベニヤ)・・・原木を薄く剥いた(大根のかつらむき状態)単板(ベニヤ)を三枚、五枚、七枚など奇数枚に各層ごとに繊維方向を交差させ、張り合わせ一枚の板状にした材です。種類としては一般普通合板、コンクリート型枠用合板、構造用合板、難燃合板、防炎合板、防火戸用合板、足場板用合板、パレット用合板、特殊合板(化粧合板など)があります。用途に合わせて使用すると安定して便利な材料です。
住まいの壁材
木質系
プリント合板・・・ラワン合板に木目,布目などの模様を印刷した合板。
銘木合板・・・ラワン合板に天然銘木を薄くスライスして張り付けた化粧合板。
ポリエステル合板・・・表面をポリエステル樹脂加工した化粧合板。
クロス合板・・・ラワン合板に布や紙を特殊加工した化粧合板。
軟質繊維板・・・インシュレーションボードともいわれ布や塩ビシートが表面に貼ってある材。断熱防音性に優れています。
硬質繊維板・・・ハードボードともいわれ表面が平滑で硬度があり加工性が良い。タイル模様ガ印刷されたものもある。
化粧石膏ボード・・・石膏ボードの表面に壁紙やビニールクロスが貼ってある材。難燃で遮音性に優れている。
金属系
ブリキ板・・・鋼板にすずメッキした金属板。
トタン板・・・鋼板に亜鉛メッキした金属板。
カラー鉄板・・・トタン板に合成樹脂塗料を焼き付けた金属板。
塩ビ鋼板・・・トタン板に塩化ビニールを被覆した金属板。
ホーロー鉄板・・・鋼板にホーローを焼き付けた物で高価。
ステンレス板・・・クロームを中心にした合金鋼でサビにくい。
銅版・・・時間がたつと表面が酸化して緑青がふいてくる。高価。
アルミ板・・・アルミ合金から造られた板で表面にアルマイト加工処理された金属板。
土・砂(左官)系
土壁(京壁)・・・色土を塗って仕上た壁でじゅらく土は和風の壁によく使われる。
砂壁・・・色砂にノリを混ぜて仕上た壁で表面は粗面で種類によっては光を反射するものもある。
しっくい壁・・・石灰や貝灰にノリと石砂を混ぜて水で練った物で仕上た壁。亀裂が少なく、耐久性がある。
石膏プラスター・・・焼石膏に砂を混ぜ水で練った物で仕上た壁。しっくい壁より耐久性は劣るが防火、遮音性に優れている。
モルタル壁・・・砂、セメントを混ぜ水で練った物で仕上た壁。安価で防火性がある。木造モルタル住宅の外壁。
大津壁・・・色土に石灰と砂を混ぜ水で練って仕上た壁。
繊維壁・・・木粉、毛糸、化繊等にノリを混ぜ合わせて塗り仕上た物で色が豊富。
クロス貼り(壁紙)・・・布、紙、ビニール、ガラス繊維など多種多用で色柄も豊富です。貼り方は袋貼り、直貼りなどがある。
接着剤と充填剤
接着剤
接着剤は水性、ゴム系、エポキシ系、瞬間接着剤、ビニール系の種類があります。簡単に用途を列記しますがそれぞれの使用書を読んで使用して下さい。
水性・・・酢酸ヒニールエマルジョン系で木工作用で木、布、紙の接着。表面をきれいにして塗布、すぐに貼り合せる。圧着静置。
ゴム系・・・合成ゴム系でゴム、皮、木、布など他用途。表面をきれいにして接着物の両面に塗布。5分から10分位(接着剤の表面を触って指に接着剤がつかない程度。)乾かしてから貼り合わせます。木槌などで叩いて圧を加えます。
エポキシ系・・・エポキシ樹脂系で金属、ガラス、陶磁器、コンクリートなどの接着。表面をきれいにして2液タイプが多いのでこの2液を混合します。混合後塗布して貼り合わせます。特に圧をかける必要はありませんが接着面がずれないように注意して静かに置き乾くのを待ちます。
瞬間接着剤・・・シアノアクリレート系で金属、ガラス、ゴム、プラスチック、アクセサリーなどの接着。表面をきれいにして少なめに塗布してすぐに貼り合せる。十数秒圧を加える。
ビニール系・・・塩化ビニール系で塩ビ、木、金属、紙などの接着。表面をきれいにして接着物の両面に塗布。生乾き(オープンタイム)の状態で貼り合せる。圧を加える。24字間で実用硬度になります。
接着した時はみ出した接着剤の処理
木工用=固まる前は水でふき取れます。歯ブラシ布などを使用。固まった後はノミやカッターを使って削ります。
ゴム、皮、布用=固まる前、後もラッカーシンナーを使います。
金属、ガラス用=固まる前は石鹸水、ラッカーシンナーを使用。固まった後は接着物をいためないように熱湯ではがします。
タイル、コンクリート用=固まる前はラッカーシンナーではがれます。固まってしまったら注意してタガネなどで割り掻き落します。
瞬間接着剤=固まる前はマニキュア除光液などではがれます。固まった後は瞬間接着剤はがし剤を使用。
度の場合でも再度接着するには表面をサンドペーパーできれいにしてから再接着する。
充填剤
充填剤は別名コーキング剤ともいわれヒビワレ、水周りなどに使われます。屋外用と屋内用がありますのでそれぞれの使用説明書を読んで使ってください。
屋内用
浴室=タイルの目地、浴槽の周りに使用。シリコン系。
洗面所=洗面所、トイレの器具周りに使用。シリコン系。
内壁=しっくい、じゅらく壁、柱のヒビワレ、隙間に使用。アクリル系。
台所=流し台、換気扇、レンジフード周りに使用。シリコン系。
屋外用
屋根
本瓦、スレート瓦のズレ,割れは油性系。
カラートタンの合わせ目、隙間、釘の頭にはプチルゴム系・合成ゴム系・変成シリコン系を使用。
塩ビ鋼板の合わせ目、隙間には変成シリコン系を使用。
ベランダ
モルタル、コンクリートなどへの取りつけ部分の亀裂には変成シリコン系。
外壁
モルタル、コンクリートのヒビワレには変成シリコン系・油性系。
塩ビ、鋼管、モルタルなどの配管周りには変成シリコン系・発泡ウレタン系。
アルミサッシ、モルタル、ALCなどのサッシ周りには変成シリコン系・シリコン系・油性系。
物を組んだりつないだりする物に釘があります。釘は普通に使われている丸釘以外にも用途によって色々あります。そのいくつかを列記します。
ステンレス釘・・・頭が丸と平があります。サビにくいので湿気のある風呂場、台所に使われます。
コンクリート釘・・・コンクリート、ブロックへ木を打ち付けに使用。
フロアー釘・・・床材を貼るのに使用。抜けにくいようにラセンがきってあります。
ボード釘・・・ラスボード、石膏ボートの取り付けに使用。サビにくい。
リング釘・・・釘先がやじりのように加工され段がついているので抜けにくい天井材の下地取りつけ合板の浮き上がり防止に使用。
ケーシング釘・・・頭が小さく材に埋めこみが可能。天井材、内装材に使用。
傘釘・・・頭に傘をつけた釘で各種波板(屋根材)の取り付けに使用。
釘の効かない壁に使う金物
コンクリート壁・・・トリルで穴をあけて鉛製、プラスチック製のプラグを打ちこんでネジなどで材をとめる。コンクリートプラグ。
ボードなど中空構造の壁にはボードアンカーとしてトグラー、モリーアンカーなどが代表的。色々な種類があるので使用する場所にあわせて使用すると便利です。







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