第40回企画展(2004年8月) 「自然はともだち ひともすき」 荒川 美知子

 

作者の言葉
四季折々に自然が見せるさまざまな形と色風や水や樹々の気配、小さな生き物たちのざわめきそしてその延長に、融けこめる人物像を置いてみたい。
それが始まりだったような気がします。
しかし風景と人物を両立させるのは至難なこと、やがて我執や物欲や醜い人間臭をとり払った女性像に近づいてゆきました
…いえ若しかしたら、真っ白な画面に向かってはただ無心の状態だったかも知れません。
イメージの赴くまま、砂のように粗い岩絵具から細かい水干絵具まで一つ一つ色を作り、絵皿に溶くときは、はるかな道のりを思い描いてときめく豊かなな時間です。
日本画では大作になるほど前もって精緻な小下図を作るのですが、私はなぜかそうすると本画の純白の地に筆を下ろすとき柔らかな情感が薄れ描きたい情熱も冷めそうで、その大切な部分を省略し…
思いどうりの色が出ず、何日もかけて塗り重ねた絵肌を洗い落としながら涙とともに、これも楽しい作業のひとつ、と本心はそれほどの後悔もわかず失敗を繰り返しては納得のいくまでじっくり長い時間をかけて、ひとつの作品に打ち込めるのは恵まれた環境と感謝しながら、
スローでいいよ、と自分に合った道をこれからも歩み続けたいと願っています。
 

 遠い日
 過ぎ去った遠い日を偲ぶとき           (宇津江四十八滝)
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 奥能登
人気のない奥能登の海岸線いくつもの入り江の奥にはひっそりと船着場が
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 栂池
朝露のしたたる湿原をひとり歩きました
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 春韻
あなたの仰せのままに
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  朱夏
秘めた想いは朱く燃え
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  百秋
きよく ただひとりに
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聖子
わけ知らぬ不安と焦り
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風と
風を切ってゆくときもあれば
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バラ
もうひとりの私がいつもささやく
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早春
春まだ浅く届かぬ想い
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お気に入りの席
豊かに年を重ねたいNORIKO 

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水紋
渓谷を流れ下る急流の川岸で穏やかに描く水の模様
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