第54回企画展 『北の大地に魅せられて』 コンドルこと小林修一

 

作者の言葉
都会育ちの私にとっては、無いものねだりかもしれないのですが約20年ほど前から
『北海道』の自然に魅せられて描いています。
四季折々に観せる北の大地は余所者の私を包み込んでくれる様で、たとえ極寒の地であっても
その表情はどこか暖かさを感じる、そんな冬場に特に好んでよく出掛けます。
その場の空気や匂いを描きたいという思いはどの地を訪れても同じなのですが、
北海道に観る景色は正にそのテーマを私に与えてくれる憧れの土地なのです。
この度インターネット美術館様からお誘いを頂き、北の大地の作品を自選しました。
皆様のご感想などお聞かせ頂ければ嬉しく思います。
 

        サロベツ原野
サロベツ原野に吹く風は肌を刺し波音だけが聞こえていた。

             春待船
雪と氷に閉ざされる北の海は港も船も雪解けの春を待ちわびるかのように静まりかえっていた。

              雪の浜
北の最北端の地その先には利尻島が波間に浮かんでいる。

            氷雪の海
オホーックの海は氷と雪に閉ざされて人の気配さえも眠るかのようだった。

             冬の道
北国のありきたりの光景かもしれないが凍る川面がなんとも美しい。

         雪あかりの村
もしこの集落に夜の明かりが灯るとどうなるのか?

     雪の入り口
豪雪ながらもどこか人の温もりがある風景が私は好きである。

小樽の街
道内屈指の街だった小樽には当時の古い面影がそのまま残っている。

      最果ての海
特産種の植物を愛でながらハイカー達はこの海岸線に花の道を作ったと云う。

    大地の赤い屋根
絵は暫し現実を離れることが出来るから楽しいのかもしれない。

      大地遥か
高台から見下ろした広大な釧路湿原はまるで人を寄せつけない威厳に満ちていた。

       大地の詩
雪の無い夏の北海道には逞しい詩が聞こえる様な気がする。