第36回企画展
天と地からの贈り物  
中野瑞枝

作者の言葉
初めて投画した私にこのような機会を下さいましたことを心から感謝いたします。
 木の葉や枝の動きに風が見えるような時、染まる雲に足が止まってしまう時、自然の美しさは私に絵を描かせてくれました。何とかしてこの感動を描きとめたいという思いを持続させてくれました。
 スケッチには努めて出るようにしています。照りつける太陽にからからに干からびたミミズになった気がする時や、ちょっと手を放した紙が飛んでいってしまうような風の時も大変なのですが、一番困るのは紙の上で絵の具が凍る日です。でもそういう時ほど美しい光景を見せてもらえます。着いた途端に雨が降り出して一枚もかけずに帰ったこともありますが、それも何かを戴いているのでしょう。私の風景画はこの様にして自然から戴いたもので出来上がってきたように思います。
 自然を描くのは、自然という書物を読ませてもらうようなものかもしれません。それは簡単な書物ではなく、決して読み切ることのできない深いものだと思います。単なるスケッチでない、自然の深みに 達した作品としての水彩画がいつか描けたら、と夢見ています。皆様からの御批評を糧にして、また進んで行きたいと思います。

      Mizue.N@seznam.cz          http://www.geocities.jp/kmo_mma/mizue/

74×102cm ドイツ 透明水彩(枝先数本のみ白ガッシュ)パリ国際サロン 

どこまでも続く道を一人歩いた。芽吹き前の木々が赤く膨らんでいた

  CID / Content ID = f0110002453
 

初めての道

28×38cm ドイツ 透明水彩

絵を描き終えて通り過ぎようとすると、この家の老人がにっこり笑いかけてくれたので、私は黙って絵を見せた。言っていることを理解するのか大変だったが言葉が通じなくても楽しい一時だった

CID / Content ID = f0110002452

移り気な空

28×38cm ドイツ 透明水彩

ここの空は本当に気まぐれだった。さっきまできらきらと晴れていた空から光が消えたかと思うと、大粒の雨が突風と共に吹きつける。

    CID / Content ID = f0110002456

きらめく

28×38cm 山形県西川町 透明水彩

ミズナラの木。毎年2メートル近い雪の重みを受けながら、どうしてこんなに大きくなれるのだろう。
CID / Content ID = f0110002454

時の結晶

56×76cm 東京都八王子 透明水彩(木の幹と空の左下のみ白のガッシュ)

 空のどこかに時があるのだろうか。一片一片時が降ってきて、地上で雪に変わるのだろうか。

    CID / Content ID = f0110002459

眠りにつく牧場

        28×38cm ドイツ 透明水彩 

風もなく音もなく、2匹の白いウサギだけ
がすごい速さで走り回ってじゃれていた。

    CID / Content ID = f011000245A

仲間たちと

  28×38cm ドイツ 透明水彩

まだ若い白樺の木達は風がやんだ隙に枝を起していた。何時かこんもりした白樺林になるのだろうか。

CID / Content ID = f011000245B

春に向かって


74×102cm ドイツ 透明水彩(枝先数本のみ白ガッシュ)パリ国際サロン


どこまでも続く道を一人歩いた。芽吹き前の木々が赤く膨らんでいた。

CID / Content ID = f011000245C

アーゼーの散歩道


38×56cm ドイツ ガッシュと透明水彩 


明日は日本に帰るという日。木片を敷き詰めた散歩道は柔らかかった。

CID / Content ID = f0110002458

にわか雨の後

28×38cm ドイツ 透明水彩 

乗馬クラブの藁の積んである小屋に飛び込んでしまった。

   CID / Content ID = f0110002455

ポレポレ・ファーム

9×25cm 山形県月山 透明水彩

 ポレポレとはアフリカのどこかの言葉で、ゆっくりやろうと言う意味。単なるペンションの看板が意味を知ってから私に語りかける言葉になった。

CID / Content ID = f011000245

弓張平の朝

38×102cm 山形県月山 透明水彩

朝5時に家を出て車を走らせた。まだ日の当たってない月山に着いて振り返ると・・・

    CID/ Content ID = f0110002457