1-04シナリオ [講演概要(1)

今日の話しの概要です。最初に、光ファイバとはどんなもので、どんな基本特性を持っているのかを説明して、それから、こういった特性が、どういう風に開発されてきたかを説明したいと思います。

死の谷というのは、チョット脱線になりますが、基礎研究から実用化の間に横たわっていて、実用化を阻むな難所で、多くの研究はここで挫折して、プリジェクトXの歌に出てくる、地上の星となって埋没してしまうんですが、今日の話しは、全部、無事、死の谷を乗り越えた成功例です。それから、死の谷の手前は、基礎研究のフェーズで、ここには、魔の川、Devil’s Riverが流れていると言います。光ファイバの開発史で言えば、レーザ発明の1960年からコーニングの20B/kmファイバ実現の1970年までの10年間が相当します。

基本的には、2.1までで、足りているのですが、2.2は、実用化が成功する為には、実は本体が死の谷を越えるだけでは不十分で、周辺技術と言いますか、関連技術もあわせて進歩する必要がありまして、光ファイバの場合には、接続とか、コネクタがそれに当たります。

私の目から見て、最も関心がありますのは、光ファイバといえば、通信線路を銅線から石英ガラスに転換し、電線業界の生産物が銅線ばかりだったのが、半分は石英ガラスのなってしまうという、産業界的にも一大革命をもたらしたものなんですが、

こんな一大革命が、たったの10年で起こってしまうんですが、なぜこんなに凄いことが、こんなに短期間にできたのだろうかという点が興味深いんであります。

今日の講義で、どこまで迫れるかは、自信はないんですが、NHKのプロジェクトXでもまだ取り上げてくれませんし、この際、皆さんと一緒に探ってみたいと考えている次第です。