1-10シナリオ [石英ガラスの吸収スペクトルの例]

これは、石英ガラスの吸収スペクトルの例です。

Kao博士の歴史的な論文に掲載されているものですが、測定系は、光源があって、モノクロメータというプリズムとか回折格子で短波長化しまして、検出器との間にサンプルを入れて測定します。今の場合は、透明性の高い石英ロッドで測定していますので、20-30cmのロッド状の試料を使ったと思いますが、サンプルが大きくなりますので、光源と検出器の間が離れますので、測定ビームを平行にするための工夫がされています。それと、透明材の場合には、表面での反射の補正を正確に行う工夫が必要になります。右側の損失の波長依存性が、損失スペクトルといわれるものでして、左側の縦軸が損失、横軸が波長、右側の縦軸が吸収係数です。電気系の人は常用対数の損失を使いますし、物理系の人は自然対数の吸収係数を使います。

0.7μmの吸収が多分、鉄で、0.9 μmの吸収が水だと思いますが、0.65 μmの谷で0.2dB/mですからkmに換算すると、200dB/kmですよね。このデータで20dB/kmを予測したんですから、この谷の損失が、表面反射の補正の誤差なのか、鉄の吸収のすそなのか、あるいはこの紫外側の吸収のすそなのかを見極めるのは、大変注意深いデータ解析が必要でして、相当なものだと思います。

参考:

空間伝搬型光通信(HeNeガスレーザ)

 ┗=損失:カメラレンズ≒300db/km

   正月に東京から富士山がスッキリ見える≒ 0.2dB/km

   日米太平洋横断無中継(20000km)伝送≒0.001dB/km

   20dB/km1%/km=同軸ケーブルの損失

 ・コヒーレンシは必需か? 変調?