1-11シナリオ   [レーリー散乱の例]

これは、レーリー散乱の例です。レーリー散乱というのは空が青く見えたり、タバコの煙が見える説明に使われますが、入射光よりも小さい粒子による屈折率の揺らぎによる、波長変化の無い散乱を言います。波長変化のある、いわゆる非弾性散乱は、ブリルアンさんとか、ラマン散乱になります。

ここでチョット、測定と評価という事に触れておきたいと思います。

ここでクエッションなんですが、皆さんは、このレーリー散乱を測って言われたらどうやって測りますか?

第一の方法は、ファイバの周囲に検出器を並べ、それを長手走行にスキャンして、直角方向の光でレーリー散乱を測定しましたが、

第二の方法は単純に透過スペクトルを測って波長の4乗に逆比例するようになるまで、ファイバをひいては測り、ひいては測りしました。

結果は第二の方法に軍配が上がりました。

計測という点では、第一の方法の方がオーソドックスのように思いますが、評価法という目で見ますと第二方法の方が圧倒的早いんです。とにかくファイバ全体として波長の4乗に逆比例しない限り作り直しというわけで、製造と評価のサイクルが格段に違ったわけです。

第一の方法で、「○○の条件で作ったファイバのレーリーさんは△△で、より大きな粒子による散乱はXXだ」と言っても、評価法という点では、第二の方法にかないません。

という事で、私が申し上げたいのは、物理的な数字を求めるのか製造法の評価なのか、評価の場合には、物性値そのものは不要で、スピードが大事なんだという事であります。