1-14シナリオ [光ファイバの構造と分散]
先ほど説明しましたように、
多モードファイバのように、全反射角の異なる複数のモードが存在すると、モードによって光路長が変わるので、分散が起こります。
材料分散は、屈折率が波長で変わることによるものでして、波長の二階微分で与えられ、どの構造のファイバでも存在します。石英ガラスで、波長1.3μmで分散ゼロになりますので、大容量の伝送線路では、この波長を使います。
構造分散は、コア径の大きい多モードファイバではあまり問題になりませんが、シングルモードファイバでは、材料分散と逆の波長依存性があるので、コアの形状を制御して、分散ゼロの波長をシフトさせることができます。
参考:
◎光ファイバの構造と分散:
(1)モード分散
┗=モード=角度
(2)材料分散
┗=屈折率の波長依存性(2階微分)。
1.3μmでゼロ。それ以上の波長では負。
(3)構造分散=導波路分散
┗=導波構造、滲みだし=長波長ほど滲みだし、有効屈折率が小さくなるが
最後は一定に近づくので、二階微分(=分散)は正。光源の波長広がり。