2-28シナリオ:[VAD光ファイバの脱水経緯] 

この図は、毎年、着実にOH基が低減して行った、大変ハッピーな図でして、技術的には、塩化チオニル→塩素→そして、実は、He脱泡が鍵で、Arだけではダメなんですが、東海村にあった、NTTの研究所では24時間Heガスを流しっぱなしでこのプロセスを確立したのでした。後付的は、Heはどこにでも入ってゆく、不活性ガスだから、さもありなんという事になりますが、御存知のように、Heガスは大変高価で、普通は回収装置つきで使うガスですが、24時間湯水のように垂れ流すわけですから、大変さはご推察いただけるのではないかと思います。ガス会社は、NTTの研究所にHeガス供給のために、茨城地区に工場を作って対応してくれたほどでした。

 

それにしても、火炎加水分解法で水がジャブジャブある中で石英ガラスを合成するVADでOHフリーのファイバが実現したことは、全く、予想外のことでした。

ま、たとえでいいますと、例えば、実験をやるときに、テーブルを汚さないように、細心の注意でチマチマ、チマチマ実験するのではなく、テーブルは汚しても良いから最も実験しやすい方法でドーンと実験しておいて、あとで徹底的に掃除すると言った感じですね。

これは結構大事なことだと思っています。